ドローンは世界各国で使用されており、撮影・農業・運送・点検など、色々なビジネスへの将来性も期待できるアイテムです。一方で、使い方を誤ると事故につながる危険性も併せ持っています。日本国内ではまだ免許などは存在せず、航空法や電波法などいくつかの法規制によってドローンの使用ルールが定められていますが、海外ではどうなっているのでしょうか。ここでは、国によって制度にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
フランスのドローン業界は、世界でも大きく注目されています。2012年には、世界に先駆けてビジネス目的のドローンの使用に規制を設けていることからも、ドローンビジネスの発展が伺えます。
フランスではドローンを免許制にして、操縦をする人には検収と筆記試験を課しています。また、違反者には厳しい罰則規定が設けられるなど、ドローンの使用に当たっての基盤がしっかりと作られています。そういった環境の中で、ドローンを販売している企業、ドローンによって得たデータを用いて独自のビジネスを展開している企業なども多く現れており、ビジネスとして大きく発展しています。
アメリカでドローンを飛ばす場合、趣味の範囲であれば数ドルを支払って連邦航空局(FAA)に機体を登録するだけで構いません。しかしながら、商用ドローンを使用する場合には、FAAのPart107の資格試験に合格し、UASパイロットの資格を得る必要があります。したがって、アメリカでドローンをビジネス活用しようと思うなら、FAAのPart107の資格試験に合格して、パイロットの資格を取得しておく必要があるでしょう。
中国では、ドローン事業の拡大によって、免許取得者が急増しています。中国民用航空局の規定では「ドローンの重量が7キロを超える場合」「飛行高度120メートル以上の場合」「飛行距離が500メートル以上の場合」といういずれかの条件に当てはまるドローンの利用について、中国航空器所有者及び操縦者協会(AOPA中国)が認定する免許の取得が義務付けられています。免許取得には、3か月ほどの時間が必要となり、航空理論や安全知識など幅広く学ぶことになります。また、重量250g以上の民間用ドローンを利用するには、ドローン所有者名とドローン本体のシリアル番号を登録し、二次元コードを発行して本体に貼る必要があります。
世界の国々によって、ドローンの法規制にはさまざまな違いがあります。ドローンによる事故や犯罪も起きている昨今、どの国においても、やはり免許や法規制など、ドローンを使用していく上での基盤をしっかりと固めていくことが求められます。
ちなみに、日本ではまだドローン操縦時に国が定めた免許というものは必要ありません。あくまでも予想ですが、日本でのドローンビジネスが拡大していくとともに、免許が必要となる日も近いのではないでしょうか。