ドローンが広く浸透するにつれ、「将来ドローンを使った仕事をしたい」「空から景色を撮影してみたい」「個人的にドローンを扱ってみたい」など、色々な夢や希望を持つ方が増加しています。今回は、ドローンを無事に飛行させるために必要なことの説明から、オススメの資格、あると便利な国家資格まで、ドローン初心者の方であっても、分かりやすい解説をしていきます。
「ドローンを飛行させたいけど、バイクや車のように資格や免許が必要?」等と疑問のある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。まず初めに、ドローンを飛行させる前段階のベースとなる基礎知識を身に付けていきましょう。
目次
2018年12月、ドローン飛行のために習得や取得の義務付けられている免許や資格は存在していません。これは要するに、誰でもドローンを飛行させることができるということです。ただ、それは「飛行させるため」の免許や資格が存在しないというだけであって、誰もがどこでも自由に飛行させて良いというわけではないのです。
それは何故かというと、各自治体の定める条例で規制されていたり、航空法などで規制がかかっていたりするからです。ドローンを飛行させる前に必ず、ドローンを規制する条例や法律を、きちんと身につけておくことが大切です。
時は遡り2015年4月22日。
総理大臣官邸の屋上に、ドローンが墜落しているのが発見されたことで、ドローンが大きな注目を集めました。それ以来、ドローンに関する規制が続々と登場するようになりました。代表的な規制には、以下の法律が存在します。
民法は、民法207条にある[土地の所有権]のように、ドローンも関わる可能性のある規約などに当てはまります。土地の所有権は、その土地の上空も含まれるため、他人の土地の上で、許可なくドローンを飛行させた際には、民法207条に抵触す恐れがあります。
また、個人情報保護法や重要文化財保護法など、ドローン飛行の際には幅広く法律が絡みます。ドローンに内蔵されているカメラで個人のプライバシーを侵害したり、国の指定する重要文化財を損傷したり等といったことも考えられるのです。
2015年12月に実行された改正航空法。バッテリーを含め200gを超えるドローンに関し、次の空域内で飛行させるときには、空港事務所長や地方航空局長の許可が事前に必要です。
①空港等の周辺の上空の空域
②人口集中地区の上空
③地表や水面から150m以上の高さの空域
また、下記の規定によらないケースでドローンを飛行させる際には、地方航空局長の承認が必要です。
①日中(日出から日没までの間)に飛行させること
②目視できる範囲内でドローンとその周囲を常に監視しながら飛行させること
③第三者または物件(建物・自動車等)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
④祭礼や縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
⑤爆発物など危険物を輸送しないこと
⑥ドローンから物を投下しないこと
航空法や許可承認の手続きは、国土交通省のウェブサイトに書かれていますので、一度見ておくと良いでしょう。
そして、2019年6月13日には、改正航空法が成立しました。
この法令改正で、200グラム以上のドローン等無人航空機への安全対策における事項も変化がありました。
主に以下の点が強化されました。
①アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと
②飛行前確認を行うこと
③航空機又は他のドローンとの衝突を予防すること
④他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
この中で特に注目すべき点は、①の、[アルコール又は薬物等の影響下で飛行させない]という項目です。
米国では既に、飲酒や薬物摂取による多くの事故を発生させているのです。
具体的な例では、2015年1月26日にホワイトハウスの警備を担当したシークレットサービスの人員が、敷地内にて約60cmのクアッドコプターが低空飛行しているところを目撃しています。
クアッドコプターは敷地内南に墜落し、後にDJI Phantom2であったことが判明しており、事故発生当時は、オバマ大統領とミシェル夫人は不在、2人の娘も祖母の家に出かけ、要人の身に被害は発生しませんでした。
しかし、緊急事態と察した当局は捜査を開始、事態の究明を進めました。
事件発生の6時間後、組織所属エージェントの1名が、アルコールで酔った中、ドローンを操縦して墜落をさせたことが発覚しています。
ホワイトハウス近辺では、防衛用のレーダー網が張り巡らされており、ドローンには未対応であったことが明らかにされています。
このような事故から、2018年1月15日、ニュージャージー州において、ドローンを使用した飲酒運転禁止の法律が実施されました。
血中アルコール濃度が0.08%以上でドローンを操縦禁止、違反の際は、最高で禁錮6か月、罰金1000ドル科せられる等、重い罰則となっています。
日本の法改正によって追加されたアルコール又は薬物等の影響下という点においては、アルコール飲料やアルコールを含む食べ物を指しています。
アルコールによる影響は、体質や体調によっても大きく変わるため、アルコール濃度だけでなく、アルコールを体内に残す状態で無人航空機の飛行を行ってはいけないということを指しているわけです。
また、薬物とは、麻薬や覚せい剤などの規制薬物に限らず、医薬品も含まれるのです。
飲酒した際の操縦禁止には遵守が求められますので、承認による例外などは認められず、違反してしまったときには、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。
この他に、飛行前の気象状況の確認や、機体点検も義務付けられています。
主に、下記の項目において点検が必要です。
◆各機器は確実に取り付けられているか
◆ネジのゆるみの有無
◆モーターの異音の有無
◆機体にゴミ等の付着の有無
◆モーターやバッテリーの異常な発熱の有無
◆バッテリーの充電量は十分か
◆プロペラに傷やゆがみの有無
また、20時間飛行をする際には、以下の点検も必要です。
◆交換の必要な部品の有無
◆ネジのゆるみの有無
◆フレームのゆがみの有無
◆プロペラに傷やゆがみの有無
点検をきちんと行えば、故障などでの墜落リスクを大きく防ぐことが可能です。
運転状況が整っているかの確認に関しては、空域内に他に飛行する物体がないか、落下地点に第三者がいないか、風速や気温、雨量が適切か等まで見なければいけません。
その他に、周りに不快感を与えない操縦だけでなく、危険な飛行に関する規定も強化されました。
主に、急降下させたりする行為や、不必要に騒音を発する行為などが挙げられます。
他人にドローンを急接近させるなどの迷惑行為も含まれ、違反した時には、50万円以下の罰金となります。
航空法も年々変化しているので、その都度、最新の法令を確認し、対応する必要があります。
第76条において、[交通の妨害となるような方法で物を道路に置いたり、通行人や車を損傷させる恐れがある物を投げたりする行為]を禁止しており、ドローンも当てはまる項目が幾つか存在します。
2016年3月、国会議事堂や内閣総理大臣官邸、最高裁判所など国の重要施設から原子力事業所、外国公館等の施設周辺おおむね300mの地域上空を飛行してはならないという法律が公布されました。ドローンの重さに関係なく規制されています。
Wi-FiやBluetoothでパソコンやスマートフォンと繋ぎ、撮影データを送信したり、リアルタイムで見ることの可能なドローンが増えていますが、日本では周波数帯によっては免許が必要なケースがあるのです。
Wi-Fiなどで多く使われている2.4GHz帯は免許が不要であり、1.2GHz帯は携帯局、5.7GHz帯は携帯局や陸上移動局に分けられるので、免許が必要となっています。海外メーカーのドローンを飛行させる際には、どの周波数帯を使っているのかを必ず把握することが大切です。
自治体には、独自の条例があり、東京都では、すべての都立公園や庭園でのドローン飛行を禁止とするなど、地域ごとにさまざまな規定が存在します。
法を守っていても自治体の条例に触れていれば、当然処分を受ける可能性もあります。自分がドローンを飛行させようと考えている地の条例はどうであるのか、しっかりと把握しておきましょう。それと同時に、土地や施設の管理者、所有者の許可の有無も把握しておくと安心です。
ドローンを飛行させるために、資格や免許は必要ありませんが、民間団体によると、独自にドローン認定資格を備えていて、資格取得者が年々増加しているとのことです。
民間のドローン認定資格は、[法律や気象などに関する基礎知識][ドローンの基礎知識][安全に飛行させるための知識][ドローンの操縦技術]などを認定対象としています。
資格取得には、特定のカリキュラムを受講したり、テキストで十分学んだ後、認定試験に合格する必要があります。短いスパンで効率的に習得できるので、知識や技術をスムーズに自分のものとすることができます。
認定資格さえあれば、[特定カリキュラムを修了し、試験にも合格した!]ということの証明となります。これは、将来ドローンを活用した仕事に就く場合にも、効果を発揮するものです。
ドローンの認定資格を備える民間団体は複数ありますが、その中でも代表的な団体は下記になります。
DJIは中国のドローンメーカーであり、ドローン界では大変有名な企業です。このドローンメーカーでも、独自の認定資格を備えています。
次に、JUIDAは、日本のドローン民間団体の中で、最も古くからある団体です。JUIDA認定スクールを全国に持ち、特定のカリキュラムを修了することによって認定資格の取得を申請可能となっています。
DPAは、JUIDAに次ぐ団体として有名であり、DPAも全国に多くの認定スクールを設けています。特定ののカリキュラムを修了すると、認定資格申請が可能とされています。
座学のみのため操縦技術までは学びませんが、検定に向けて学ぶことで、法律や力学、気象学や物理学、専門用語まで、豊富な知識を身に付けられます。
DJI CAMPは、DJIのドローンを正確に、そして安全に操縦するため、DJI JAPAN株式会社がオフィス向けに実施する、ドローン操縦士養成プログラムです。ドローンについての確かな知識と操縦技術、安全への高い意識を習得することによって評価されます。筆記試験と実技試験、レポート作成をクリアしたところで、DJIスペシャリストとしての認定証を発行します。
DJIは、世界有数のドローンメーカーであり、DJIが独自に認定資格を備えているということは、十分な知識がなければ合格することの難しい内容であると言えるでしょう。DJIスペシャリストになることができれば、ドローンにおける確かな知識や技術を証明することができて、オフィスでの信頼にも直結するでしょう。
DJIスペシャリストに認定されると、地方航空局長や空港事務所長宛に、航空法に基づく飛行許可申請を提出するときに有益です。また、DJIユーザー向けのドローン保険が、約10%割引されるなどの利点も存在します。
受講には、[法人または個人事業主であること][DJI製品のマニュアルを熟知しており、ドローンを使った業務に従事できるレベルにあること][ドローンの飛行操縦経験が10時間以上あること]等の条件があり、DJI CAMPを実施するのは、DJI CAMPインストラクター企業です。各インストラクターオフィスに直接申し込み、特定のカリキュラムを修了し合格することによって、認定証の発行が申請可能となります。
筆記試験や2日間の座学講義、実技試験などの講習があり、座学では、[安全基準]や[禁止事項]、[操縦者の行動規範]といった基礎的な部分から、[法律]や[電波や気象]についてまで、あらゆる範囲を網羅します。
技能テストも、[機体のコンディションチェック][離陸][ホバリング]といったベースから、[対面で離陸地点に戻ってくる][ノーズインサークル×2]といった技術面までを評価していきます。
認定テストは、[飛行計画レポート作成]や[飛行技能テスト]があり、いずれも合格した人は、[最終オンラインテスト]へと進みます。
DJI CAMPの受講費用は、インストラクター企業ごとに異なりため確認が必要で、認定証の発行にかかる費用は16,200円となっています。また、DJI CAMPは全国各地にあるインストラクター企業によって毎年頻繁に実施されているのです。
JUIDAは、日本初の認定スクール開始団体になります。全国にJUIDA認定スクールを設けていて、JUIDAの認定資格を取得するためのカリキュラムを受講が可能です。JUIDAの認定資格には、[無人航空機操縦技能]と[無人航空機安全運行管理者]の2種類があり、JUIDA認定スクールにて特定のカリキュラムを修了して合格することにより、各認定証の発行申請可能となっています。
JUIDA[無人航空機操縦技能証明証]を取得すれば、操縦技術があるということを証明できます。将来、ドローンを活用した仕事に就きたいときにも、ドローンビジネスを考える方にも有益です。
DJIスペシャリストと同じく、地方航空局長や空港事務所長に飛行許可を申請するときに、手続きの簡素化もできます。また、[安全運行管理者証明証]を取得すれば、安全に対するや意識知識の高いことも証明されるわけです。
2つの資格を同時取得する方が大多数ですが、ドローンのマネージメント職に就きたい方は、特に取得が必須でしょう。安全運行管理者については、操縦技能証明を先に取得しておく必要があります。
JUIDA認定資格は、主に個人向けであり、20歳以上であれば、ドローンの飛行経験などを問わず、誰でも受講可能です。スクールによって実施日程や場所、費用などが変わり、泊まり込みで開催するなどのスクールもあるので、事前に把握することが大切です。
座学では、法律や概論、気象から点検整備、安全管理やリスク管理まで存在し、実技では、離陸やホバリングから、GPS無しの自律航行まで学びます。また、安全運行管理者は夜間飛行や目視外飛行、物件投下飛行などを学びます。合格すれば、証明証を申請することで、発行可能となっています。
安全運行管理者証明証の申請費用は15000円で、操縦技能証明証の申請費用は20000円となっています。尚、申請にはJUIDA個人会員への入会が必須であり、個人会員の入会費と年会費は下記の通りです。
◆正会員:入会金60,000円/年会費10,000円
◆準会員:入会金5,000円/年会費5,000円
正会員と準会員の異なる点は、JUIDA社員総会における議決権があるかないかということです。その他のセミナーや情報提供といった案内は、同様に実施されます。
2018年12月、DPAが行うドローンの認定資格には、[ドローン操縦士回転翼3級]と[ドローン操縦士回転翼3級インストラクター]の2種類が存在します。
現行のドローン操縦士回転翼3級を取得すれば、橋梁や送電線等のインフラ点検や農薬散布や映像コンテンツの空撮等のフィールドで活かす知識や技術を身に付けられます。DPAも全国に認定スクールを設けていて、各スクールにてカリキュラムの受講が可能です。
DPAは、[ドローン操縦士協会]というその名からもお分かりいただけるように、操縦士に特化した団体です。そのため、DPAの認定資格は高い操縦技術や必要とされる知識を身に付けられるのです。
3級では、手動航行で目視外飛行可能なレベルの技術習得が可能です。2級になると、自動航行による目視外飛行可能なレベルとなり、レーザー測量や精密農業、外壁点検やソーラーパネルの空中点検等、幅広いフィールドで活躍できる知識や技術が身に付きます。
1級では、補助者無しで無人地帯での目視外飛行可能なレベルとなり、山間部や離島への荷物配送や災害時の被災状況の調査、河川測量や長大なインフラ点検、行方不明者の捜索に活かすことのできる知識や技術が身に付きます。JUIDAと同じように、地方航空局長や空港事務所長に飛行許可を申請するときに、手続きが簡素化されるのも利点でしょう。
DPAのドローン操縦士回転翼3級は、15歳以上で視力や色覚のほか身体的な条件等が存在しますが、ドローンの操縦初心者であっても受講可能です。ドローンの飛行時間10時間以上を有することといった条件もありますが、これは別の講習を受講することでクリアすることも可能なのです。
ドローン操縦士回転翼3級インストラクターでは、ドローン操縦士回転翼3級の資格がなければ受講することが不可能であり、18歳以上50時間以上の飛行経験等、レベルの高い内容となっています。
DPA認定校に申し込み、カリキュラムを修了した後に、筆記と実技両方の試験に合格し、オンライン講座を受講して修了をすると、やっと認定証の申請が可能となります。
上記のどの資格も、申請費用は15000円で、2年ごとに9000円の更新料が必要です。
ドローンが急激に世の中に広まり、幅広い分野への産業に導入されているものの、ドローンを使った事件や事故も増えています。そうした背景から、ドローンを使用する方々の知識を評価することによって、資質の向上とともに、周辺への理解を求めることを目的として開催されているのが、まさにドローン検定です。
ドローン検定は、座学のみ、1級〜4級までにランク分けされています。3級や4級は誰でも受講可能ですが、2級を受講するには、まず3級を取得し、1級を受講するには2級を取得する必要があります。
3級と4級には受験資格が無いけれども、2級になると3級取得者のみ、1級では2級取得者だけが対象となります。2級以上の資格を取得するためには、まず3級の資格取得を目指すという方が多くいらっしゃいます。
業界でも認知度の高い資格であることから、個人なら自分自身の、法人であれば自社PRへ直結します。検定に向けて勉強をする中で、ドローンの基礎知識から、工学や法令、物理学や気象、専門用語など、豊富な分野の知識を身に付けられます。
実技系の認定資格と同様に、航空法をもとに飛行許可申請を行うときに、認定資格の証明証の添付が可能なため、手続きを簡素化することができたりもします。実技系の認定資格とセットでドローン検定を受講する方も多くいらっしゃいます。
ドローン検定への申し込みは、ドローン検定の公式ウェブサイトより行えます。年齢に条件はなく、誰でも申し込み可能です。日程もドローン検定の公式ウェブサイトに記載されているので、悩むこともありません。
注意点として、1級、2級はそれぞれ1つ下の級を取得していなければ申し込み不可とされています。
申し込み後は案内に従い受験料を入金、その後試験を受けることとなります。主な受験料は、下記になります。
◆1級 18,000円
◆2級 12,000円
◆3級 5,500円
◆4級 3,000円
合否は郵送で通知される他、ドローン検定の公式ウェブサイトからも確認可能です。1級合格者には合格証と、合格者ピンバッジが付与され、希望すればドローン検定協会の公式ウェブサイトにプロフィールを載せてもらえます。
2級の合格者には、合格証とピンバッジが、3級・4級の合格者には合格証が付与されます。ドローン検定の公式ウェブサイトでは、検定に向けた[ドローン検定 公式テキスト]を購入できます。検定を受けたい方、検定は受けないけれど、知識を身に付けたいという方にも、オススメの検定です。
ドローン操縦といった知識や技術に対する資格や免許は存在しませんが、将来ドローン操縦士になりたいのであれば、取得しておきたい国家資格があります。それが、第4級アマチュア無線従事者免許です。
日本では、電波法からパソコンやスマートフォンなどの電化製品に使われる周波数帯2.4GHzであれば、免許不要で使用可能です。2.4GHzに対応するドローンも多いけれども、海外メーカーのドローンの中には5.8GHzを使用するドローンも存在します。
代表的なものには、ゴーグルや、FPV対応のドローンです。日本で5.8GHzを利用するときに必要となのが。第4級アマチュア無線従事者免許であって、第4級アマチュア無線技士であると言われています。
無線従事者の免許は、1級〜4級に分類されていて、第4級アマチュア無線従事者免許はその中でも、最もレベルの低い資格になりますが、きちんと基礎知識を習得し、試験に備えなければいけません。
公益財団法人 日本無線協会が実施している、[第4級アマチュア無線従事者免許国家試験]に合格する方法と、一般財団法人日本アマチュア無線振興協会あるいはキューシーシー企画といった団体が開く講習会を受講した後、修了試験に合格すれば取得可能です。
この資格があれば、5.8GHz対応のゴーグルを装着し、FPVを楽しみ、ドローンレースに出場したりできるのです。
試験にかかる費用は、試験申請書の用紙代が120円で、免許申請の際にかかる費用は、申請書の用紙代170円、手数料2100円とされており、試験手数料は4級4950円となっています。講習会や養成講座も実施されていて、受講料は1万円〜2万円ほどです。
「将来ドローンレースに出場したい」「ドローンでFPVを楽しみたい」そう思っている方はぜひ、取得しておきたい資格となっています。
陸上で、無線局の無線設備における技術的な操作を行うときに必要となるのが、第3級陸上特殊無線技士免許です。具体例を挙げると、タクシーに使用される無線の基地局で、設備などの技術的な操作を行うときに必要となります。
このことから、将来ドローンを使った仕事をしたい方にオススメの資格です。ドローンパイロットのマネジメントをしたい、測量、警備、物流、インフラ点検といったジャンルで働きたいという方は、特に注目しておきましょう。
第3級陸上特殊無線技士免許は、公益財団法人 日本無線協会が実施する国家試験を受けて合格するか、トライアロー株式会社あるいはキューシーシー企画等の実施する講習会や養成講座に参加をし、修了試験に合格するか、e-ラーニングを受講し修了試験に合格するといった2通りの方法があります。
費用は、国家試験を受ける際には6,480円、その他の団体の開く養成講習の受講料は2万円〜2万5,000円ほどとなっています。
将来、ドローンを使った仕事をしたいと考える方、ドローンビジネスを考える方は、第4級アマチュア無線従事者免許と同時取得しておいて損はない資格であると言うことができます。
2020年2月28日、ドローン登録制度の導入が決定されました。これは、2021年を目途に、ドローンの機体登録制度を義務化し、2022年を目途に、免許制度の導入を行うという一連の流れで整備が進んでいるのです。
ドローンが広く浸透する中、2015年からドローン関連の事故発生数が増加していますが、具体的な事故事例として、2017年2月、神奈川県藤沢市の建築現場で小型無人機ドローンが墜落し、現場作業員が怪我をしたことが国内初の人身事故とされています。
密集地であったので、建築業者側は前年6月に許可を得ていましたが、飛行中に電波障害が発生して操縦不可能となったとみられ、2017年11月4日には、岐阜県大垣市でのイベント会場において、事故が発生しています。
ドローンを使用し、空中からお菓子を配っていたのですが、集まっていた大勢の人たちの中に落下し、6人が背中や顔に軽い怪我を負ったとされています。
特に多くの被害を受けたのが姫路城です。数年間に渡り、大天守に衝突してしまう事故が発生、2017年には、中国人男性とアメリカ人男性が事件を起こしています。
アメリカ人男性の場合は、城付近の大手前公園よりドローンを飛行させ、その後操縦不可になったと話していて、操縦スキルに関する問題とも言えるべき事件です。
他にも、2015年には、ハザードシンボルの放射能マークが印刷されたシールを貼った容器と、発煙筒などを付属させたドローンが、首相官邸の屋上で発見されています。
交通関係では、関西国際空港の滑走路周辺で、ドローンのようなものが飛んでいるのを見つけ、滑走路を2本閉鎖し、全ての飛行機の離着陸を停止するなど、各方面に多大な影響を及ぼしました。
こうした警察が摘発したドローンに関する事件は、発生数が年を追うごとに増加し続けています。
圧倒的に多いのが、[ドローンを無許可で飛ばした]というものであり、その理由には、記念撮影が54件、操縦の練習が34件。
それらの約半数が、中国人やアメリカ人などの外国人で、日本の法律に疎く、些細な気持ちでドローンを飛ばすという事案が多く存在します。このような状況下で、登録制度を導入することが必要となってきているわけです。
登録制度に関しては、200グラム以上のドローンの所有者が、名前や住所、機体の種類や型式を、インターネット上で国土交通省へと申請する必要があります。この申請を行うと、ID個別登録記号の通知を受け取ることが可能です。
このIDは、飛行操縦時、機体にシールで表示する必要があり、上空から電波で発信することも求められます。
これにより、個体識別できることから、事件や事故にも対応しやすいという利点があります。
また、テロなどの犯罪に使用されたときには、即座に無許可操縦を探し出し、未然に防止することも期待できます。
免許制度は、まだ議論の多い段階であり、明確ではありません。
見えている内容として、操縦者の目の届かない距離で、市街地上空に飛ばす際などの危険を伴う活用には、免許取得が必須化されると考えて間違いありません。これは、現行の航空法でも許可や承認の申請の必要な飛行法ですが、それとともに免許の取得が必須となるでしょう。
年齢制限と有効期限を備え、学科と実技両方の試験を課すという点ですが、18歳以上に限定するという動きもあり、運転免許証と同様の方法で制定される可能性があります。
法令違反をしたときには、免許の取り消しや更新停止も規約に盛り込むという方向性もあり得ます。
このように、まだ確定的でない箇所が存在しますが、航空法の規制や今後の拡大箇所を免許制にすることによって、安全な制度設計を目的とした方向で、制定が進んでいる分野です。
免許制度が始まるのは確実な状況ですが、気になるのが民間のドローン資格がどんな位置付けになるのかということです。
まだ不確定な部分が多くありますが、もし民間資格を取得していても、改めて免許取得する必要があるのは、間違いのない状況です。
ただし、ドローン資格保有者は、学科や実技が一部免除になったり、取得費用の優遇など、全く無駄になるわけではありません。民間のドローン資格を取得していれば、自分に技術があることを証明できるため、見確実要素の強い免許制度を待つよりは、先に取得しておくという判断が効果的でしょう。
ドローンの免許制度導入は、2020年の制定に受けて真偽が続けられていますが、実際に開始されると、どのように変わるのでしょうか。
まず、履歴書の資格欄に、ドローン免許を記載できるようになる可能性があります。
これにより、就職や転職で有益な可能性が大いに考えられます。
TPPや6次産業化、地産地消など、現代では、急速に関心の高まっている農業分野。
人が生きていくために必要な衣食住の中でも、食は特に必要不可欠なものです。
日本の食を支えてきたのは、農業法人や個人農家などの生産者です。
日本の農業界において、人材という側面から、農家は巨大な転換期を迎えています。
具体例として、農業従事者の高齢化が問題となり、現在の農業従事者の平均年齢は、なんと60歳を超えています。
このことからも、労働力不足や人員不足による耕作放棄地の増加や、農業人口の減少というのは、非常に大きな問題となっています。
人材で補うことも大切ですが、今まで人間の行っていたことをシステム化するという動きも見られています。
そうした現場で活用されているのが、まさにドローンです。
農薬散布ドローンがリリースされていますが、これは産業ヘリと比べると、軽い上にコンパクトなので、1人きりでの積み下ろしが可能です。
また、ドローンはヘリと比べて移動が容易であり、折りたたむこともなく、軽トラに積み込めるので、無理をすることなく、スピーディーに作業できるという点も、大変評価されています。
小回りが利くので、山間部にある小さい10a程の圃場でも、農薬散布が可能であったり、バッテリーで飛行するので騒音も少なく、住宅付近であっても、早朝より作業ができるようになっています。
作業時間を比較しても、10aを1分ほどで散布可能で、人が散布する1/5の時間で業務を完了させられます。
農薬散布もまんべんなく行えて、高齢者であってもドローン操作さえマスターすれば、猛暑などの過酷な環境下であっても不快な思いをすることがありません。
このように、効率的に楽して作業することのできるドローンによる農薬散布は、今後も広く浸透していくことは確かでしょう。
他にも、農業分野ではドローンの導入が進む動きが加速しており、農薬と同様に、散布が必要である肥料や種まき、受粉業務へと活用されているのです。
具体的な事例①梨の溶液授粉の実証実験
梨は作業適期が3〜4日と短く、多くの人員を求める梵天を使用した人工授粉は、作業者の高齢化などを理由に、人員材確保が年々難しくなっていました。
そこで、授粉作業の軽労化や省力化を目指し、農業用ドローンを使用して、溶液授粉の実験が実施されました。
2019年に和梨、洋ナシで実施され、2020年は新潟県農業大学校からの協力を得て、和梨も加えた3品種で実験しています。
溶液授粉は、花粉を混ぜた溶液を樹上約2mの高さより散布する実験が行なわれており、このことから4人の作業員が10アールを約1日かかる授粉作業が、1機1分ほどで完了しています。
2019年の検証結果として、着果率が3割ほどと低い状況にあるため、2020年は6〜7割の着果率を目標とし、改良の進む分野です。
種まきとしてドローンに内蔵した散布装置を利用して、鉄コーティング種子などの散播が実施されています。
これまでは空中からの播種とし、無人ヘリを使って行っていましたが、ドローンを使うことによって、コストを大幅に抑えながら労力の削減を行うことができる予定です。
また、一般的な播種で使用される湛水直播機では難しかった中山間地域の作業においても、ドローンを活用することによって、短時間で簡単に播種を行えるようになりました。
更に、積極的に試験の実施されている米の播種は、広島県東広島市、大分県日田市、福岡県楢葉町などで試験が実行されています。
注意点として、個人でドローンを使って農業を行おうとしても、免許制度が導入された段階で、ドローン免許が必須となりますので気を付けてください。
ドローンを活用した宅配サービスも、大きな成長が見込まれています。
楽天ドローンという会社によると、ドローン配送事業を展開しており、2019年7月4日より国内初となる離島配送プロジェクトをスタートさせました。
舞台は、東京湾唯一の無人島である猿島で、年間20万人もの観光客の訪れる、有名な観光地です。
猿島対岸にある西友LIVIN横須賀店で扱う商品を、パソコンやスマートフォンから簡単に注文できるサービスとされています。
対象商品は約400品目あり、生鮮食品や飲料など、豊富な品揃えとなっていて、バーベキューに必要な食材も取り寄せることができます。
配送料は500円で、積載量は5kgまで。時間指定も可能です。
毎週木曜、金曜、土曜日限定で、1日最大8便が運航します。
一企業だけでなく、自治体レベルでの技術の実証も進んでいます。
千葉県千葉市では、ドローン物流の本格化に向けた制度整備や規制改革を話し合う千葉市ドローン宅配等分科会が創設されました。
ここでは、実証実験の実行法や、実証実験に関する技術的課題を抜粋し、分科会への報告を目的とする技術検討会が立ち上がっています。
技術検討会には、イオンやAmazon、NTTドコモや三井物産、佐川急便や日本電気、ヤマトロジスティクス等の物流や商業大手が名を連ねています。国土交通省でも、過疎地域でのドローン物流モデルを探り続けています。
実際に、2018年度に埼玉県秩父市、福島県南相馬市・浪江町、長野県白馬村、岡山県和気町、福岡県福岡市で検証実験が行なわれています。過疎地ではどうしても食料品などの購入において一苦労するのが実情ですが、この実験がビジネスに結び付くことが期待されています。
また、海外においても同じように、ドローンによる配送ビジネスが浸透し始めており、ニュージーランドのドミノピザでは、個人向けに宅配サービスが開始されています。
ドミノピザが独自に行った調査では、利用者の7割が、機会があればFlirtey社のドローン宅配を検討していると判明するなど、確かな需要があることは間違いありません。
自動運転の技術開発が進む中で、ドローンタクシーも実用化され始めています。
初めてドローンタクシーが注目されたのは、2016年のCESで中国のEHang社が出展したEHANG 184モデルです。
その後の2019年8月5日には、日本企業のNECが空の移動革命に必要な交通整理や管制、管理基盤の構築を始めると表明しています。
その初期段階として、空飛ぶクルマと呼ぶプロトタイプのドローンを開発し、浮上実験に成功したと報道されました。
特徴として、自律飛行や推進装置、GPS情報を得て、飛行を制御するソフトウェアが新規開発して内蔵されていることが挙げられます。
空の移動革命に対する官民協議会が示したロードマップによると、2023年を目指し事業を始め、2030年代からの実用をさらに進めることが明らかにされています。
遠くない未来、ドローンタクシーが一般的となる可能性も、考えられます。
インフラ点検や365日24時間巡回警備システム、ドローンを使った犬の散歩など、導入されているサービスから実証段階のものまで、ドローンの可能性は、さらに拡大し続けています。
少子化の影響で、人口減少が課題の日本において、ドローンでの機械化が積極的に発展していくことは明確でしょう。
その一方、ドローンタクシーのように、人を乗せて操縦する必要のあるものは、操縦に対しての技術だけでなく、責任感も重要です。
そこでキーポイントとなるのが、ドローンの免許制度です。
この免許制度の導入で、ドローン免許はチェックすべき資格となること間違いなし!なのです。
今回は、ドローンに関する資格や免許について、分かりやすく説明を行いました。ドローンを飛行させるための資格や免許は必要なく、この記事で解説した民間資格も、[自己PRの材料になる][ドローンの飛行許可に有益である]というような位置づけにあるだけです。
資格取得を目指せば、知識や技術が身に付きます。立派なドローンパイロットになるために、覚えておくべきことが沢山あります。
1つは、ドローンパイロットとしての知識や常識です。その理由として、ドローンには色々な法律や条例が関わってくるからです。
その全てを頭に詰め込む必要はありませんが、第三者に危害を与える、もしくはプライバシーや肖像権を侵害するという行為は、ドローンの明るい未来のためにはなりません。
それとともに、ドローンをどのような形で使用していきたいのか?という展望も、明らかにしておくと良いでしょう。
趣味や空撮など、漠然としたものでも問題ありませんが、ドローンの利用法をより具体化して描くことによって、本当に必要な技術は何かということの全貌が見えてきます。そしてそれは資格や免許ではなく、将来ドローンを仕事とするための技術であったり、時代にマッチした能力であるかもしれません。
ドローンに関する資格や免許のみで考えず、人生設計も含め、ドローンと自身の将来展望を見据えておくことも重要です。
それと同時に、ドローンの今後の飛躍のためにも、知識と常識、操縦技術と安全、リスクマネジメントについて、法律や条例に関する正しい知識も、十分に蓄積していきましょう。